GIMP を使って画像調整する – テキスト、他画像を重ねる

GIMP を使ってできる画像編集のうち、テキストを入れたり他の画像を重ねる方法を解説します。

文字を重ねる

概要

今回は、図1の見本画像のように「開発中」とテキストを入れてみます。

【作業概要】

  • 画像の上にテキスト入力欄を作る
  • テキストを入力し、大きさなどを調整する
  • 任意の場所にテキストを移動させる
図1:「開発中」の文字を入れた画像例

手順

① GIMP で文字を入れたい画像を開いたら、ウィンドウの左上、アイコンが並んだ中から「テキスト」のアイコンを選びます。

図2:アルファベットのA が「テキスト」のアイコン

② 次に、テキストの色を選びます。この色は後からでも変更可能です。
画像に対して目立たない色が設定されていた場合、編集がしづらくなります。目立つ色をまずは選んでみましょう。

さきほど「テキスト」アイコンをクリックしたので、画面左側にテキストの設定項目が表示されるようになります。この中の「」をクリック(図3)すると、カラーパレットのウィンドウが開きます(図4)

カラーパレットの左側から任意の場所をクリックして、色の彩度やコントラストを調整します。色相を変更するには、すぐ右側にある縦長のバーをクリックします。

色が決まったら「OK」ボタンをクリックします。

使いたい色のカラーコードが決まっている場合は、ウィンドウ右側の「HTML表記」に入力することで該当の色を選べます。

図3:「色」の項目をクリック
図4:色を選ぶウィンドウ

③ 次に、画像上にテキストを入力する場所を作ります。

画像の上で、ドラッグ&ドロップでテキスト入力欄を作成します。四角で囲われた部分が入力欄となります。

ここで厳密に場所を指定しなくても、後からテキストは移動させることができます。まずは入力欄を作ってみましょう。

図5:テキスト入力欄ができた

④ これでテキストを入力できる状態になります。今回のサンプルでは「開発中」と入力します。

手順②で既に見た通り、画面左側では、テキストの詳細を設定することができます。フォント、文字サイズ、揃え位置、インデント、文字間隔などを設定しましょう。

「ヒンディング」とは:
ヒンディングは、表示が小さなテキストを入力したとき、文字がつぶれたり不揃いになるのを調整する機能です。

このような機能はありますが、小さいテキストはWeb上での可読性を下げてしまいます。テキストの大きさは見やすさ、読みやすさを心掛けてください。

図6:テキストの詳細設定は、画面左側から

⑤ 最後に、入力したテキストを移動させます。

画面左上のアイコンが並ぶ中から「移動」のアイコンをクリックします。

画面の左側に「移動」の設定項目が表示されるので、その中の「機能の切り替え」を「アクティブレイヤーを移動」に設定します。

画像上にカーソルを合わせて、ドラッグ&ドロップで移動させましょう。

※もし、テキストでなく背景の画像が移動してしまったら「Ctrl + Z」で元に戻してから、画面右側のレイヤーの状態を確認してみましょう(図8)
テキストのレイヤーがアクティブ(選択されている)になっていれば、テキストを移動させることができます。

図7:「移動」の設定メニュー
図8:テキストのレイヤーがアクティブになっている状態

「レイヤー」とは:
画像にテキストを追加したとき、すぐに1つの画像となるわけではありません。元の画像と、追加されたテキストはそれぞれ別の層に分かれて重ねられたような状態になります。この層の1つをレイヤーと呼びます。

層状に分かれているので、元の画像に影響させずにテキストだけを消したり移動させることができます。

⑥ テキストを移動させることができたら、画像を保存しましょう。

ウィンドウ上部のメニュー「ファイル」から「名前をつけてエクスポート」を選択して保存します。

図9:テキストを右下に移動した

画像を重ねる

概要

テキストだけでなく、画像も重ねることができます。今回は、図10の画像に、図11のようなロゴ画像を入れてみます。

【作業概要】

  • ロゴ画像全体をコピーする
  • 背景となる画像の上に、コピーしたロゴ画像を貼り付ける
  • 貼り付けたロゴ画像を任意の位置に移動させる
図10:背景となる画像例
図11:ロゴ画像例。背景は透過されている

手順

① GIMPで背景になる画像、上に重ねる画像をそれぞれ開きます。

2つ以上の画像を開いたときは、どちらの画像を編集するか、ウィンドウ上部のタブで切り替えることができます。

図12:編集する画像を切り替えるタブ

② 上に重ねるほうの画像(今回はロゴ画像)をコピーします。

タブをロゴ画像に切り替えたら、ウィンドウ上部のメニューから「選択」をクリックします。

さらにその中のメニューから「すべて選択」をクリックすると、画像全体が選択状態となります(図14)

図13:「選択」メニューから「すべて選択」を選ぶ
図14:画像を囲む線の色が変わった

③ 画像が選択されたら、画面上部のメニューから「編集」をクリックします。

さらに、その中のメニューから「コピー」をクリックします。

図15:「編集」メニューの「コピー」を選択

④ 背景となる画像に、コピーした画像を貼り付けます。ウィンドウ上部のタブから、今度は背景となる画像に切り替えましょう。

編集する画像が切り替わったら、画面上部のメニューから「編集」をクリックします。

さらに、その中のメニューから「クリップボードから生成」にカーソルを合わせ、「レイヤー」をクリックします。

図16:「編集」メニュー

⑤ さきほどコピーしたロゴ画像が、上に重ねられました。

ここで、ウィンドウの右下を見てみましょう。今重ねた画像と、背景になる画像が別々のレイヤーになっています。
レイヤーが別々になっているので、どちらかの画像だけを移動させたり編集することができます。

この後の作業のために、上に重ねたほうの画像のレイヤーを選択(アクティブ状態)しておきましょう。

図17:画像を貼り付けられた

⑥ 最後に、貼り付けた画像を移動させてます。やり方としては、重ねたテキストを移動させる方法と同様です。

画面左上のアイコンが並ぶ中から「移動」のアイコンをクリックします。

画面の左側に「移動」の設定項目が表示されるので、その中の「機能の切り替え」を「アクティブレイヤーを移動」に設定します。

画像上にカーソルを合わせ、ドラッグ&ドロップで移動させましょう。

図18:「移動」メニューで設定する

⑦ 画像が移動できたら、ウィンドウ上部のメニュー「ファイル」から「名前をつけてエクスポート」を選択して保存します。

図19:「名前をつけてエクスポート」で保存